願ったこと

「私、大変な病気になってしまった。」

と朝「おはよう」の返事に母が言う。「???なんで」いつもと変わりはないようなので問うと、「おしっこが出すぎている」と「こんなに出るのはおかしい。何か変な病気になってしまったんだ。最悪だ。死にたい。」という。昨日は元気だった。ご飯もおやつもたくさん食べて、テレビを見てあははと笑っていた。母がリハビリパンツになってからもう1年以上は経つ。自分ではわからないうちに出てしまっていることが多くなり、リハパン+だんだんと段階的に大きめの尿取りパッドも使うようになった。そのパッドは毎朝私が片付けているので毎晩の尿量は把握していると思うのだけど、今朝取り立てて多いというほどのこともなかった。デイサービスの日の翌朝は通常よりも多いのだが、それは多分ディサービスで水分を沢山取らせているのだろうから正しい排出量だと思う。「病気じゃないから大丈夫だよ。普段と同じだよ。」と言っても聞き入れず「最悪だ。死にたい。」を繰り返すばかり….。一度こうだと思い込ので「私は病気だ」と[決める]と私の言葉はもう届かない。以前も突然「大腸ガンになった、もうすぐ死ぬんだ。最悪だ。」と思いこんで1年くらいそんな感じだったが同じ感じだろうか。その時は泌尿器科で診てもらって内視鏡で大腸検査をして「胃も腸もすごく綺麗ですよ」とドクターに直接言われてようやく収まった。(便通の薬をこっそりゴミ箱に捨てていて飲まずにいたので便秘気味だっただけの話であった)。

最悪だ。死にたい。

この言葉をこの13年聞き続けている。。。死にたいのに、病気になったのが最悪なのか、ツッコミどころなのだが、もうそれをチャカして面白がって盛り上がる関係でもないのが哀しい。

母が病気になった時に「母が死ぬ時、私も死ぬ、でいいのでその分私の寿命を母にあげてください」と病院の駐車場で号泣しながら神様とか仏様とか、そんな方々に願ったのだが、13年目になるとそれが叶えてもらったとしてももう母にとって良かったのかどうかはわからない。

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